いとしいこどもたちに祝福を【後編】

すると不意に両手首を掴まれ、陸の傍へと引き寄せられた。

「晴は誰にも渡さない…っ!あいつにだけは、絶対に…!!」

「陸…っはなして、痛い…!」

痛みに抗議の声を上げても、陸は力を緩めてくれなかった。

いつも白くて華奢だと思っていた陸の腕や掌は、晴海が抵抗しても全く振り解(ほど)けない。

「やめて、陸っ…!!」

そのまま寝台に押し倒され、言葉を遮るように無理矢理陸の唇に口を塞がれる。

「ゃ…んっ…」

噛み付くように深く唇を合わせながら、陸の手が晴海の身体を衣服の上から性急に撫で始めた。

「んん、ぅう…っ!」

早く陸と逢いたかった。

早く陸と話したかった。

陸に触れて欲しかった。

だけど、こんな形で陸に触れられても全然、嬉しくない。

怖い。

苦しい。

かなしい。

胸の痛みは、和らぐどころか急速に増していった。