「何で昨日、すぐ俺に話してくれなかったんだ」
「あ…あのときは…結局、何もなかったからっ…香也も、何もする気はないって、言ってたし…」
ずきん、とまた胸が痛み始めた。
「だからってあいつの言うことを素直に信じたのか…!それも晴のことを油断させるための、嘘かも知れないのに」
つらそうに眉を顰めた陸の両手に、肩を強く掴まれ晴海はびくりと萎縮した。
「ごめん、なさい……でも、あのとき香也は、嘘は言ってないと思ったから…」
「あいつが晴に何したか忘れたのかよっ!!」
「っ!」
初めて浴びせられた陸の怒鳴り声に、思わず身を縮めて戦慄する。
「忘れて、なんか…」
「なら、何であいつを庇うようなこと言うんだよ…!俺はそんなに頼りないのか?」
「違うよ…!陸に余計な心配、掛けたくなくて…」
「俺が、充さんや風弓のこと黙ってたからっ…俺のことを信じられないのも無理ないかも、知れないけど…」
「違う、父さんたちのことはもういいの…!」
ざわざわと湧き上がるこの不安感はなんだろう。
「りく…っ」
いつも陸はちゃんとこちらの話を聴いてくれるのに、今日は、陸に自分の声が全然届いていない。
普段なら陸は必ず、こちらの眼を見て話をしてくれたのに――
「あ…あのときは…結局、何もなかったからっ…香也も、何もする気はないって、言ってたし…」
ずきん、とまた胸が痛み始めた。
「だからってあいつの言うことを素直に信じたのか…!それも晴のことを油断させるための、嘘かも知れないのに」
つらそうに眉を顰めた陸の両手に、肩を強く掴まれ晴海はびくりと萎縮した。
「ごめん、なさい……でも、あのとき香也は、嘘は言ってないと思ったから…」
「あいつが晴に何したか忘れたのかよっ!!」
「っ!」
初めて浴びせられた陸の怒鳴り声に、思わず身を縮めて戦慄する。
「忘れて、なんか…」
「なら、何であいつを庇うようなこと言うんだよ…!俺はそんなに頼りないのか?」
「違うよ…!陸に余計な心配、掛けたくなくて…」
「俺が、充さんや風弓のこと黙ってたからっ…俺のことを信じられないのも無理ないかも、知れないけど…」
「違う、父さんたちのことはもういいの…!」
ざわざわと湧き上がるこの不安感はなんだろう。
「りく…っ」
いつも陸はちゃんとこちらの話を聴いてくれるのに、今日は、陸に自分の声が全然届いていない。
普段なら陸は必ず、こちらの眼を見て話をしてくれたのに――


