いとしいこどもたちに祝福を【後編】

「陸、は…」

「言った筈だよ。あいつは立場上、身分の高い令嬢と一緒にならなきゃいけないってね」

香也が言っていたのも、このことなのか。

たとえ陸自身が望まなくても、自分とは離れなくてはならない――そう、香也は言っていた。

「そんなの、嘘…っ」

「僕の言うことは信じられない?だったら自分自身で確かめてご覧よ」

真都はそう言って突き放すように両腕を解放した。

「っ…」

「そんなことしても、君が傷付くだけだと思うけどな」

晴海は精一杯の気持ちを込めて相手を睨め付けると、真都の傍から逃げるように駆け出した。

そして、自身の部屋へ逃げ込むと扉に凭れたままその場にへたりと座り込んだ。

陸は今日の予定を終えたら、すぐ部屋まで来てくれると言っていた。

陸、早く来て。

早く、逢いたい。

こんな不安な気持ち、吹き飛ばして欲しい。

真都や香也が言うことなんて気にすることないって、言って欲しい。

陸が他の誰かと一緒になってしまうだなんて、考えたくない。

胸が苦しくて、息が出来なくなる。