いとしいこどもたちに祝福を【後編】

真都のような人間に、周や京まで同じ考えであるだなんて思われたくない。

「それはどうかな」

「え…」

「現に今頃、周叔父様の元には各国の要人から山程申請が来ているよ。陸に自分の娘と見合いをさせて欲しいって内容でね」

「…!」

くすくすと真都が笑う。

「陸から何も聞いてないのかい?君のことが大切なら、教えてくれたって良さそうなものじゃないか」

いつの間にか目の前まで迫ってきていた真都が、晴海の頬に指を這わせた。

「っいや…」

咄嗟に抵抗しようと身構えた両腕を、壁に縫い止められる。

「だから、どうせ遊びなら秋雨の次期領主である僕にしないか?身分も地位も、あいつより僕のほうが上だ。顔はあいつもそこそこ美形だけどね…それ以外に断る理由なんてないだろ?」

身分だとか地位だとか、そんなことはどうだっていい。

出逢った頃の陸は、何も分からなかったのだから。

「私はっ…陸が領主様の息子だから好きになった訳じゃない…!」

「ふぅん?君は一途に奴を想ってるようだけど、あいつはどうだろうね。本当に君とのことを遊びじゃないだなんて、言い切れる?」

陸が、どう思ってくれているか。

十年前に出逢ったときの話を、昨夜してくれたばかりだ。

けれど、そのときの記憶は自分にはない。