と言っても、母も純粋な秋雨の人間ではない。
仄は晴海と同じ碧眼だが、秋雨の人間のような白金髪ではなく橙に近い茶髪である。
確か金砂か薄暮の血も入っていると聞いたことはあるが、その辺りは母自身はっきり知らないらしい――偶然眼の彩りに秋雨の特徴が表れただけだ。
「僕は同郷の人間には寛大なんだ。君が僕の国の血を引いているなんて、嬉しいな」
少しずつ距離を詰めてくる真都に対して後退りするも、すぐ後ろの壁に背がぶつかってしまう。
「そんなに怯えないで。僕は君ともっと仲良くなりたいんだよ」
「っ……」
「何故あいつなら良くて僕は駄目なんだい?どうせ陸だって、君とは遊びで付き合ってるようなものだろう?」
真都が言い放った言葉に、びくりと身が震えた。
「違うかい?」
違う、陸はそんなこと思っていない。
愉しげに薄笑いを浮かべる真都に、必死で首を振って見せる。
「春雷と秋雨が友好関係にあるのは、僕の叔母が春雷に嫁いだからさ。奴もゆくゆくは領主となる京兄様のために、他国の令嬢を娶るか他国へ婿入りすべきなんだよ。身分の低い母親から生まれたあいつの存在価値なんて、それくらいでしか生かせないんだから」
「陸のことを…そんな風に言うのは止めて…っ」
「ああ失礼、つい本音が出てしまってね。でも周叔父様も、きっと本音では他国との繋がりを強めたいと思ってる筈だよ?でないと春雷と言えどもいつまでも独立国ではいられなくなる」
陸を、政略の道具みたいに扱うだなんて。
そんなことを、周や京が望む筈がない。
「それは、貴方がそう思ってるだけでしょうっ…?」
仄は晴海と同じ碧眼だが、秋雨の人間のような白金髪ではなく橙に近い茶髪である。
確か金砂か薄暮の血も入っていると聞いたことはあるが、その辺りは母自身はっきり知らないらしい――偶然眼の彩りに秋雨の特徴が表れただけだ。
「僕は同郷の人間には寛大なんだ。君が僕の国の血を引いているなんて、嬉しいな」
少しずつ距離を詰めてくる真都に対して後退りするも、すぐ後ろの壁に背がぶつかってしまう。
「そんなに怯えないで。僕は君ともっと仲良くなりたいんだよ」
「っ……」
「何故あいつなら良くて僕は駄目なんだい?どうせ陸だって、君とは遊びで付き合ってるようなものだろう?」
真都が言い放った言葉に、びくりと身が震えた。
「違うかい?」
違う、陸はそんなこと思っていない。
愉しげに薄笑いを浮かべる真都に、必死で首を振って見せる。
「春雷と秋雨が友好関係にあるのは、僕の叔母が春雷に嫁いだからさ。奴もゆくゆくは領主となる京兄様のために、他国の令嬢を娶るか他国へ婿入りすべきなんだよ。身分の低い母親から生まれたあいつの存在価値なんて、それくらいでしか生かせないんだから」
「陸のことを…そんな風に言うのは止めて…っ」
「ああ失礼、つい本音が出てしまってね。でも周叔父様も、きっと本音では他国との繋がりを強めたいと思ってる筈だよ?でないと春雷と言えどもいつまでも独立国ではいられなくなる」
陸を、政略の道具みたいに扱うだなんて。
そんなことを、周や京が望む筈がない。
「それは、貴方がそう思ってるだけでしょうっ…?」


