いとしいこどもたちに祝福を【後編】

『……ごめんね、晴』

仄の謝罪が何を意味するのか、何となく解っていたが、何も訊けなかった。

息が詰まって、次の言葉が上手く話せない。

「…じゃあ母さん、また、電話するね」

本当はもっと言いたいこともあったのに、それしか言えなかった。

『うん。声が聴けて嬉しかったよ』

風弓のことも、話せなかった。

ゆっくりと受話器を置いて、小さく溜め息を落とす。

「――やあ、今日は一人だね」

「!」

不意に掛けられた声を背に受け、反射的に素早く振り返る。

「っ貴方は…昨日の」

「覚えていてくれたのかい。そう、秋雨の真都だよ」

金髪を掻き上げて、真都はゆっくりとこちらへ近付いてきた。

「あの、私に…何か?」

真都は不自然な程に上機嫌な様子で、それが晴海の不安をやけに掻き立てる。

「君は我が秋雨の人間と同じ眼をしているね。とても素晴らしいことだ、血縁者に秋雨出身がいるのかな?」

「…母方に少し、秋雨の血が」