いとしいこどもたちに祝福を【後編】

「……違わないけどっ…多分それは…」

天地が父に、似ているような気がしていたから。

父と同じ医師で、眼鏡をしていて、穏やかな物腰で。

父や風弓と離別した直後に引っ越した先でそんな天地と出逢ったから、彼に父の姿を重ねていたのだと思う。

「先生のことは今でも好きだよ。けど…違うの」

今は陸のことが、誰よりも――好きだ。

けど、このまま陸の傍にいられるのか分からないのが、怖い。

離れてしまうのが恐ろしい。

母は父と離れるとき、どんな想いでいたのだろう。

「…母さんは、父さんのこと…今でも好き?」

『好きだよ』

返答は何の臆面もなく、ごく自然な声色で、さらりと発せられた。

「…じゃあ、どうして……」

離ればなれになってしまっても、いつも通りの母でいられるのか。

『あたしには、晴がいるからね』

「私?」

『晴がいなかったら、あたしは充やふゆと一緒にいられなくなることに耐えられなかったよ』

「母さん」