いとしいこどもたちに祝福を【後編】

――受話器から何回目かの呼び出し音が聞こえてくる。

なかなか応答がないから切ろうかと思った瞬間、ぶつりと呼び出し音が途切れた。

「……、…もしもし」

晴海はその受話器に向かって恐る恐る声を掛けた。

『…晴?』

すると向こうから、自分と良く似た声質の応答が返ってくる。

「母さん…」

『何だか物凄く久々に声聴く気がするね』

するとちょうど考えていたことと同じ言葉を仄が言うので、何だか不思議な気分になった。

「うん…ほんとだね」

『そっちはどう?晴も陸も、元気?』

「大丈夫、元気だよ。それからね、母さん…」

『ん?』

「…色々話したいことがあるんだけど、電話だと長くなっちゃうな」

陸の家族のこと、風弓のこと――それに父のこと。

積もる話は山程ある。

なのにいざこうして口にしようとすると、上手く言葉に出来ない。

それは生来の話下手な故か、それとも久々の母との会話に少し緊張している為か、はたまた電話越しでの遣り取りであるせいか。