いとしいこどもたちに祝福を【後編】

炎夏の暴動が収束した――見知った街の人々は皆、無事だろうか。

出発の仕方はどうであれ、四年近く住んでいた炎夏は最早自分にとって第二の故郷のようなもので。

現状がどうなっているのか、これからどうなっていくのか、色々と心配だった。

それに、母と連絡が取れる。

そう思った瞬間、無性に母が恋しくなって母の声が聴きたくなって、堪らなくなった。

思えばこんなに長く母と離れていたことはなかった。

とは言えたった十数日なのに、その間に色々なことがありすぎてとても時間が経っているような気がしていた。


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