いとしいこどもたちに祝福を【後編】

そういえば母には、逸早く自分の陸への気持ちを見透かされているようだった。

陸からも、何かしらの想いを感じ取っていたのかも知れない。

「まあ俺は…毎日隣の部屋で晴が寝てるかと思うと気が気じゃなかったんだけどね」

「…えっ?」

「だって、ずっと好きで逢いたかった女の子がすぐ傍にいるんだよ?二人きりになる度に、どうにかなりそうだった」

「ええっ?!」

出逢った当初の陸は感情の起伏が余り表に出なかったせいか、全然気付かなかった。

「じ…じゃあ、今もどうにかなっちゃいそう、なの?」

「うん。もっと晴に、触れたい。でも晴の嫌なこととか困ることは、しないよ」

「で、でも…この前、周さんたちの目の前では…あの、その」

真っ赤になって口籠ると、陸の掌に頬を撫でられた。

「…うん、ごめん。あれはなんて言うか…晴の反応が可愛くて」

「!!かっ、可愛いって……私なんかの、何処が…」

「晴は凄く、可愛いよ。そうやってすぐ真っ赤になるところとか、いつも何に対してでも一生懸命なところとか」

「そん、な」

そんな風に言われて、一体どんな反応を返せばいいのか解らない。

「晴は、どう?」

「…私?」