そのまま娘を抱き抱えて立ち上がると、耳元から不満げな声が上がった。

「母さん。私、自分で歩けるよ」

「あー…悪い悪い、つい昔の癖でさ。ま、いいじゃない」

けらけらと仄が笑って見せると、娘もつられたように笑みを浮かべる。

「でも私、重たくなったでしょ…」

「全然?はるはやせっぽちだからもっと食わなきゃな~、肉付きが少しいいくらいのほうが男の子は喜ぶんだよ」

「…何の、話?」

「あれ。はるにはまだ早かったかな?」


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