「ご無事でしたか?!」
駆け付けた警備員らが、慌てた様子で訊ねてくる。
「今消えた人物は、許可証を掲示してなかったでしょう?」
「あ…あ、これのことですか」
病院を訪れたときに受付で渡された、入館許可証を晴海は首から下げている。
風弓は持っていないが、入院患者として登録されているためそもそも必要ない。
「ええ。これを持たずに敷地内に立ち入るとすぐに判るんですよ。未確認の生体反応が突然現れたのでまさかとは思いましたが、やはり不審者でしたか」
「しかし、まさかこの警備を掻い潜って侵入するなんて…」
「――君たちの警備体制に不足があったんだ。もっと警戒を強めるべきだね」
戸惑う警備員たちの背後から、高圧的な声が突如割って入る。
「真都(まなと)様…!申し訳ありません」
慌てて警備員たちが一礼した先に、凡そ警備員には見えない白金髪の男の姿があった。
「なんだ…?随分と偉そうな奴が出て来たな。誰だ、あれ」
風弓がこそりと呟く。
確かに初めて見る顔ではある、が。
「何かあの人、少し誰かと似てるような…」
「しかしお嬢さん方が無事で何よりだったよ。か弱い女性たち相手に、下劣な侵入者の魔の手が及ぶ前に気付くことが出来て良かった」
金髪の男はそう言いながら晴海と風弓の目の前まで進み出た。
駆け付けた警備員らが、慌てた様子で訊ねてくる。
「今消えた人物は、許可証を掲示してなかったでしょう?」
「あ…あ、これのことですか」
病院を訪れたときに受付で渡された、入館許可証を晴海は首から下げている。
風弓は持っていないが、入院患者として登録されているためそもそも必要ない。
「ええ。これを持たずに敷地内に立ち入るとすぐに判るんですよ。未確認の生体反応が突然現れたのでまさかとは思いましたが、やはり不審者でしたか」
「しかし、まさかこの警備を掻い潜って侵入するなんて…」
「――君たちの警備体制に不足があったんだ。もっと警戒を強めるべきだね」
戸惑う警備員たちの背後から、高圧的な声が突如割って入る。
「真都(まなと)様…!申し訳ありません」
慌てて警備員たちが一礼した先に、凡そ警備員には見えない白金髪の男の姿があった。
「なんだ…?随分と偉そうな奴が出て来たな。誰だ、あれ」
風弓がこそりと呟く。
確かに初めて見る顔ではある、が。
「何かあの人、少し誰かと似てるような…」
「しかしお嬢さん方が無事で何よりだったよ。か弱い女性たち相手に、下劣な侵入者の魔の手が及ぶ前に気付くことが出来て良かった」
金髪の男はそう言いながら晴海と風弓の目の前まで進み出た。


