「まさか君は」

アイヴィーが真っ直ぐにジャックを見る。

「自分も僕と同じ吸血鬼だと思ってはいないかね?」

「違うのか…?」

アイヴィーの口振りから、ジャックは自身の正体も吸血鬼なのかと考えかけていた。

「冗談を言ってはいけない」

冷笑する紳士。

「君のようなケダモノの臭気を纏う者が、夜の王たる僕らと同等の存在の筈がなかろう…家畜ではない。だが吸血鬼でもない。君はもっと…」

アイヴィーの瞳が嘲りに細くなる。

「汚らわしく野蛮な存在だ」