「あっはっはっ!」

トマトジュースを噴き出さんばかりに、女は笑った。

「だったらそっちの男前にも銃口を向けるべきじゃなぁい?」

そう言って、懐から椎奈の作ったチラシを出してヒラヒラと揺らす。

「お前は俺が何者か知ってるのか?」

問いかけるジャックに。

「ええ、『知っているかもね』」

彼女は曖昧な返答をした。

思わず身を乗り出すジャック。

女のその先の言葉を訊き出そうとするよりも先に。

「ラミア・ヴァルバラ」

女は自身の名を名乗った。