倫敦市の人々

吸血鬼の一生は長い。

長く密度の薄い生涯を送る中、怠惰に暇を持て余して、戯れに人を殺してみたり、血を啜ったりしながら、ダラダラと生き続ける者も少なくない。

アイヴィーのように『最愛』を見つけられる者など稀だ。

「『最愛』がいなかったら、僕もあの化け物に入れあげていたかもしれないな…実に彼は面白い。その長き生涯を捧げて抹殺に勤しむのも悪くはないかもしれない。が…」

巨大ホムンクルスを見上げるモノクル越しの左目。

「アレは少々厄介だな…あれ程の生命力を持った男でも、あの巨体相手では不利だろう。残念だったね。あの化け物を始末するのは、僕でも君でもないようだ」

呟くアイヴィーの傍ら。

「おい」

ラミアが巨大ホムンクルスに向かって歩いていくのを見て、アイヴィーは声をかけた。