倫敦市の人々

その言葉を最後に、ジャックは巨大ホムンクルスへと駆けていった。

見送るアイヴィーの目の前で繰り広げられる、聖堂騎士団、影の勢力と巨大ホムンクルスとの壮絶な戦い。

「あら…貴方もフラレちゃったの?」

背後から声をかけられる。

持ち前の治癒力で立って歩けるまでに回復したラミアが、アイヴィーの背後に立っていた。

「ジャックは貴方が殺すものだと思って、嫉妬していたんだけど」

「君にとっては好都合だろう。生きる愉しみが増えた」

肩越しに振り向いて、モノクルの左目で見つめる。

ラミアは満面の笑みを浮かべていた。

謎めいたこの女吸血鬼が、これ程はっきりと感情を露わにするのも珍しい。

それほどまでに嬉しいのか、あの化け物が生き延びた事が。