紙袋を抱えたまま、男性を凝視するフミ。

「……」

その視線に気付いた男性も、フミの顔を見る。

何だか疲弊し、憔悴し切った表情。

よく見れば、男性は胸に傷を負っていた。

見た所、刃物で切りつけられたような傷。

しかし傷はもう塞がりかけている。

「不躾に悪いんだが…」

男性は呟く。

「お前は俺が何者か知ってるか?」

そう言って、男性…ジャックはフミに問いかけた。