ガサガサと紙袋の音をさせつつ歩くフミ。

歩いていると、川沿いにベンチが置いてあり、そこに男性が座っているのに気付く。

20代くらいの男性だった。

野生の獣を彷彿とさせる精悍な顔つき。

茶色の髪の毛、どこか狼を連想させるような髪型。

体のラインがはっきりと出る黒のウェアにジーンズという出で立ち。

そして腰には物騒な事に刀…。

朝の散歩の途中で休憩中なのだろうと、最初は然して気にも留めなかったフミだったが。

「……」

椎奈やユヤに聞かされていた人物の特徴と合致する事に気付き、思わず立ち止まる。