子供の発想だ。

闇珠はそう思う。

世界は複雑に出来ているのだ。

そう簡単に、皆一緒に仲良くしましょうという訳にはいかない。

吸血鬼は人間の血を啜る。

それを忌み嫌って聖堂騎士団は吸血鬼を駆逐する。

そんな争いに巻き込まれて希少種が死に絶えるのを避ける為、闇珠は希少種を強引に連れ去る。

三つの勢力が敵対し、この倫敦市では長きに亘り争いが続く。

その争いすらも、市長がお膳立てしたようなものだ。

倫敦市という舞台で、闇珠達は道化を演じているのかもしれない。