「わかってないなあ、闇ちゃん」

チッチッチッと。

人差し指を立てて美麗が言う。

「クリスマスツリー飾って、お部屋の中飾り付けして、美味しいケーキと七面鳥とプレゼント準備して、仲良しの友達と一緒に、大勢でパーティーするんだよ」

「クリスマスじゃなくても出来るじゃない、要は美味しいもの食べたいんでしょ?」

「違う違う!」

じれったそうに声を上げる美麗。

「クリスマスにパーティーをするから意味があるんだよ!ケーキも七面鳥も、クリスマスに食べるから美味しいんだよ!」

「……」

彩は美麗の言い分を黙って聞いている。

味など、いつ食べても変わらないような気がするのだが。