倫敦市の人々

「倫敦街の方に素敵なレストランとかあったじゃん、私、闇ちゃんや彩ちゃんと一緒にケーキバイキングに行きたいな」

ほにゃっと笑ってみせる美麗。

目下の所、それが美麗の夢なのだ。

お友達感覚。

それが美麗の闇珠達に対する印象だった。

「ねー彩ちゃん、彩ちゃんもケーキ食べたいよね、ケーキ」

塔の縁で無言のまま立っている彩に擦り寄る美麗だが。

「あ…」

彩はその手を振り解いて距離を置く。

「…彩ちゃん…怖いかも…」

太陽のような笑顔はナリを潜め、美麗はシュンとなった。