倫敦市の人々

聖堂騎士団に『挨拶』は済ませたし、吸血鬼達の襲撃もない。

今夜の所はゆっくり出来そうだ。

「んーっ」

両手を上げて伸びをし、肩の力を抜く闇珠。

抗争にかかわっていない時は、彼女も歳相応…といっても本当の年齢は幾つか分かったものではないが…の表情を見せた。

まだまだやるべき事はある。

が、今夜は休息をとるのもいいだろう。

影とていつも闇に蠢いている訳ではない。

時には安息の時間も欲しいのだ。