倫敦市の人々

「誰かにって…」

「昨夜の『斬影式鬼』って奴か?」

椎奈と美弦がすぐに思い当たる。

となると、このインプを放ったのは闇珠か。

「とにかく…」

バレットM82を背負ったコートニーが、二階の窓から身を乗り出して両手で軒先を摑み、そのまま鉄棒の大車輪の要領で屋根へと上がる。

長身に似合わず身軽な身のこなしだ。

「私が屋根から狙撃する…瑠架は接近してくるインプを始末して」

「わかった…!」

こちらも身軽な身のこなしで、ヒョイと二階から外へ飛び降りる瑠架。

「俺も援護するぜ!」

シカゴタイプライターを構えるユヤ。

「椎奈とロンと美弦は隠れてろ!きっと狙いは美弦の筈だ!」