気まずい空気が流れた。



お前が俺らをどうしたいって言うんだ。



塩崎さんはひき返そうとした。



渋谷さんは彼女の手を掴み引き止めた。



しかし、塩崎さんも負けじと手を振り解こうとする。




「離して!」その刹那だった。



バチン!



俺もあっけにとられていた。



「あんたはどうしていつもそうやって逃げているの」




「逃げてなんか」



「逃げてる!」



「うるさい。あんたに私の気持ちなんかわからない!」



タクヤさんが間に入り「これ以上はやめろ」と言った。