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あれから1時間たった。

沈黙に包まれていた。

「なんかすみません....」

彼女はうつむきながら、ボソっと言った。

「いや、その...」

私も戸惑った。正直、古本屋なのよ?

暴きたいのです!って言われても....

どうしていいかわからないわ。

「ほんっとすみません!!」

「大丈夫よ....ところでこの本はどこで手に入れたの??」

この本を手に入れたとこに行けばいいのじゃないかしらね...

わざわざここに来なくても。

「それがわからないんです....部屋の掃除をしていたら押入れからでてきて、お母さんに聞いてもわからないと言われて。」

「そう」

うーん....一番困るパターンよね

私は何回も【あなたが好き。】この文字を見直した。

「とりあえず、近い本屋に持っていこうと思い...」

「最初は売る目的だったのかしら??」

私は本を置き、頬杖をし聞いた。

「は、はい!でもその前に少し読んだんです。
その時にそのページにたどり着いた時にその文字を見つけて....」

彼女はまるで恋する乙女のような潤んだ瞳で見つめてきた。

普通にしてても綺麗なのにそれに可愛いがプラスされたような気がした。

「じゃあ、保管しとけばよかったのでは?」

「私だけじゃ、なんだか...だから、本屋に一度聞いて見たかったんです。でも、その文字の秘密が暴かれるわけじゃないのに」

はは...と笑ってた。

なんだかこのまま追い返すのも気が引けるわね。

どうしましょ