私は席をたったあと、沢山の本棚から1冊の本を取出した。

すごく古いのでほこりをかぶっていた。

「すこし、色褪せているけれど...」

そういって、その本をテーブルの上に置いた。

「これは?」

「この本は、おそらくその本の作者と同じ作者が書いた本だと思うの」

私は、すっかり冷めてしまった紅茶を飲んだ。

彼女は「ほぉ〜・・・」と目を輝かせていた。

「私に...古本屋にできることはそれくらいだと思うわ」

本の表紙を少し撫ぜた。

その時───

窓からいきなり強い風が入ってきた。

その瞬間、二つの本がめくれた。

「あらあら、窓開いていたの...」

私は呟き、窓を閉めた。

「...な、なぎさん!こ、これ!」

彼女は本を指さし、驚きを隠せないようすだった。

「どうしたの??」

慌てて彼女の方へ向かい、本を見てみるとそこには...