アイサツはビンタ!

俺の方がコレなのだから、お嬢の方はさぞかしすごい事になってるだろう。

そう思い、羽山を7組に偵察に行かせてみた。

すると。

「いや?7組は静かなもんだったぜ?」と羽山。

あれ?

7組は人格者揃いなのかな?

と思ったら。

「なんか朝一でお嬢も散々イジラレかけたんだけど、すぐに黙らせたって」

ああ…。

多分アイツの事だ。

極上の笑顔を浮かべて、

「こんな優等生を捕まえて、不純異性交遊?誰が言ったのかしら?その根拠は何?言うのは勝手だけど、もしそれが誤解だと判明した場合、私の怒りの矛先はどっちに向くのかしら?私毎晩寝る前に、腕立て伏せ百回してるのよねぇ…」

なんて言ったに違いない。

お嬢は暴力は勿論、脅迫も恫喝もプロフェッショナルなのだ。

俺も少しだけ7組を偵察してみたが、7組は静か、というより、凪いだ海のようだった。

みんなピリピリムード。

ホームルームで、教室の窓を割った奴は誰だ?みたいな尋問を受けている時の雰囲気に似ていた。

澄ました顔してるのはお嬢だけという、一種異様な雰囲気だったが。