翌日も、宇多ティーの午後のホームルームは長かった。

なんか訳のわからん、本人は感動を誘う話だと思い込んでいるテレビのネタを長々と喋っている。

話したいんなら何時間でも聞いてやる。

だから。

「……」

さっきから俺の耳引っ張って遊んでる、このちびっ子女子高生を何とかしてはくれまいか。

「ほらほら、卓也君、ここ気持ちいいでしょー?」

怪しげな事をほざきながら、お嬢は俺の耳の穴に指を突っ込む。

条件反射で俺がビクン!と体を逃がすと、この上なく幸せそうな表情。

こいつ、清々しいほどの嗜虐趣味だな。

きっとコーヒー専門店でコーヒー買う時に、

「カップのサイズはSに致しますか?Mに致しますか?」

なんて訊かれても、何か勘違いして胸張ってS!!って答えるんだろうな。

質問の意図が違うとも知らずにさ。

「ほらほら、ゾクゾクしてるんでしょー?正直に言って御覧なさい?」

耳の輪郭に沿って指を這わせるお嬢。

何勘違いしてんだコイツ、こそばゆいだけだっての!

てかそのヒワイな発言は止せ。

めっちゃ注目浴びてるだろが!