RUN for YOU

「あ、あの、城南の高橋瑠子ですけど……」


本部に着いて、とりあえず近くにいた役員らしき人に声をかけてみた。

2回くらい呼んでみたらやっと気付いてくれた。
本部でなにがあったんだか分かんないけど、相当ドタバタしてるみたい。

「あ、高橋さですね!
いきなりすいません。あなたの学校から、1人リレーに出られなくなってしまった人がいて……」

「あ、そうなんですか……」


……ん??
リレーに、でられない……??


「それで、代走として走れるのがあなたしかいないと聞いたんです。準備があるので、こちらに移動をお願いします」


えっと……。

あたしが、走るの??


ぇえぇぇぇええぇえぇええぇえーーーー!?!?!?!?



こんなあたしの心の叫びも聞こえているわけがなく、あたしは控え室に連れていかれてしまった。