そして、あることを思い出した。

全国大会の2日前に届いたあの手紙。


【お前がもしも走るのであれば、お前の母親の命はない】



そっか……。


あたしがお母さんを殺したんだ……。


あたしが走ったから。

あたしがあの日はしったからお母さんは死んじゃったんだ。


全国大会の日の朝。

お母さんはこう言ってくれた。


『瑠子、後悔のないように、全力で走ってきなさい!』


あたしの大好きの笑顔でそう言ってくれたお母さん。

あの笑顔は、今でも忘れることのできないもの。


その笑顔を自ら手放したのは、他のだれでもない、あたし自身なのに………。