「姫様」



呼ばれた方に振り向くお姫さま



どうやら召し使いが呼んでいます




お姫さまはお姫さま好みの広くてキラキラした部屋の中で詩集を読んでいるところですが

柔らかな笑顔で召し使いに問いました



「どうしたのです?」


すると召し使いが「また姫様に結婚を申し込みたいと仰る方がお見えです」と答えました



「まぁ、今行くわ。このドレスのままで良いかしら?」


お姫さまは普段着にしては美しすぎるほどの、一部に絹をあしらった桃色のドレスをひらりと翻しながら召し使いに問うと


「充分過ぎるほどお美しいですわ、姫様」
召し使いはニコリと微笑みました