銀髪姫と不良幹部

「依亜」


「お父さん…?」


重い雰囲気の中、部屋に入ってきたのはお父さんだった。


どうしてお父さんが?


今は会社にいるはずだろ?


時間的には休憩中かもしれないが…。


会社からここまでは1時間以上はかかるはずだろ?


何でここに…?


つぅか、お父さんってKYだったのか?


この雰囲気で入ってくるか?


普通は入ってこねぇぞ?


入ってきたらKYだからな。


「友花。ほら、泣き止みなさい」


お母さんにハンカチを差し出すお父さん。


うん、優しいな。


さすが紳士でモテ男のお父さん。


確か、バレンタインではいつもチョコ200はあったっけ?


そのたびにお母さんが怒っていたのは、新しい記憶だ。