~先輩~

キーンコーンカーンコーン…


学校のチャイムが鳴る。

さて、帰ろう。
…としたら 


「おーい!高橋!お前図書委員だったよな?悪いけどこの本、図書室に戻しておいてくれ!」

「えっ」

「じゃ、お願いなー!」

「え、あの、ちょっと…」

はぁ…悪いと思うなら最初からたのまないでよ…まぁしょうがないか…

「重っ…」

先生に頼まれた本を戻しに図書室に向かう。
全く…由華は塾で帰っちゃったし…誰もいないのか…
その時だった。

「あれっ、重そうだけど大丈夫か?」

誰だろう…本で顔が見えない…

「あの…どちら様でしょうか…」

「俺だよー!遥輝遥輝!」

「えっ!?」

えええええー!
嘘でしょー!遥輝先輩!?うそっうそうそうそ!

「なんでそんなにびっくりしてんのさ~(笑)本持つよ!」

「あ、だ、大丈夫ですっ!」

「いーのいーの!持つって!」

「す、すみません…//」

「じゃ、図書室行くか!」

「はい…//」


これって、夢じゃないよね??
遥輝先輩と話せてるよ…!
もうどうしようっ!
何話せばいいんだろう…

「てかさー」

「は、はい!」

「前にちょっとだけ話したことあるよね?」

「えっ!覚えててくれたんですか?」

「覚えてるさ~!だって君すっごい面白かったもん!」


いやあぁぁぁぁ!
は、恥ずかしいっ!
なんで恥ずかしいかと言うと…
前に話したとき、ボランティアの時だったからお疲れ様!って言われてもうパニックになっちゃって…

「おとぅかれさまです!」

って言っちゃったんだよね…



「面白いって!//」

「いやー、ユーモアな子だなって思ったよ~(笑)」

「そんな…//」

「あ、名前なんていうの?」

な、名前聞かれちゃった!

「高橋花菜…です…」

「はなちゃんっていうのか!なんて書いて花菜ちゃん?」

花菜ちゃんって言われちゃった!
ちゃんって!

「草冠の花に、菜の花の菜で花菜です!

「おー!良い名前だっ!」


ドキッ…

「あ、ありがとうございます…//」


なんだろう……
胸の奥が音を起ててる…


「あ、俺は松本遥輝な!忘れないでねー♪」

「忘れるはずないです!」

「そーかっ(笑)じゃ、これは俺が戻しておくから花菜ちゃんは帰りな^^」

「えっ!悪いですよ!」

「いいっていいってー(笑)早く帰らないと暗くなっちゃうよ?女の子は早く帰らないと^^ 」

「え、はい…じゃあすみません、お願いします」

「はいよー!じゃーねっ!」

「さようなら!」



結局任せちゃったけど大丈夫かな…
そう考えながら歩いてたら
ある1人の男の人に声をかけられた。