大きな音を立てて、飛び立った飛行機を呆然と見つめていた。

この出会いは運命だったのか、必然だったのか。


そんなものは、わからない。


わかっている事は、ただひとつ。



あたしが光を愛したという事実。



あたしと光の愛の重さは違ったのかもしれない。

例え、それでも構わない。

もしかすると、愛されていなかったのかもしれない。


例え、そうだったとしても構わない。


だって、あなたに出会えた事。

それが“全て”だもの。



さようなら、光。

大好きでした。

愛していました。



光。

こんな想いは一生のうちで、あなただけでした。


そう言いきれる、あたしが今ここに居るから。



暗い夜空に旅立った飛行機が見えなくなると、

空にはほのかに霞んだ朧月夜が浮かんでいた。



まるで、出会ったあの日のように……。





【END】