新聞売り『号外だよ〜!号外〜!
今度は幼い娘が殺された!
紫丘女医の元で働いていた少女!
仲村桜智兎が殺された!
犯人はまたまた
江戸の夜藤紫蝶!
女、子供関係なく手に掛ける正気を失い殺す事だけに執着した極悪非道の罪人!今度は誰が襲われる?』

女1「やだ!怖いわね〜
何でそんな残酷なことが出来るのかしら?」

女2「きっとまともな教育も受けていない狂人なんですよ!」

女1「やっだ〜!
そんな人、この世に居なくていいののに〜」

女2「そんなこと言ってたら、私達のところにも来るんじゃないの?」

女1「怖いわ〜」

紫「あら?野波さんと青家さんじゃありませんか。
どうかされたのですか?」

野波「紫丘先生!この間は主人がお世話になりました!」

紫「いえいえ。とんでもないですよ
患者を救うことが我々医師の義務であり喜びですから
それで、いったい何が?」

青家「そうなんですよ!
また、紫蝶とやらが事件をおこしたんですって!」

野波「しかも、まだ歳もいかぬ女をですよ!」

青家「怖いですわね〜」

野波「そうね〜」

紫「…そう、ですね…
怖いです…」

人間とは愚かだ
目の前に居る人間が
自分達が恐ろしいと嘆いている人間と
同一人物だなんて
知るよしも無いんだから
紫はもう
そんな愚かな人間を信じようとはしなかった
他人も
家族も
そして



自分も