飛びましたが

桜智兎殺しの決行日である。

紫「…」

総「?どうしたの?紫。
珍しく浮かない顔して」

紫「…いや、別に。
ただ、桜智兎ちゃんはどんな気持ちなんだろーなー…ってさ。
勘違いとは言え一度好きになった人に殺されるんだよ?
みーんなそうだけどさ。
やっぱ最後は私を恨んで死んで逝くんだよね…て」

総「…そうだね。
確かにそうなもしれない。
でもさ、狙撃者が標的者に感情移入したら、殺し屋なんて仕事出来ないよ。」

紫「…」

事実だから悲しい
事実だから虚しい
事実だから…いつもそうだった

何も考えない人形
お飾りの道具
一人じゃ何も出来ないただの───


紫「お母さん…お父さ…ん…た…すけ……
男1「呼んだってだーれもきやしねえよ」
男2「お前は売られたんだ。
好い加減受け入れな?」







総「紫?大丈夫?
固まっちゃって…」

紫「え?あ、大丈夫。
さーてと。もうそろそろ出るか!
そんじゃ総司。行ってきまーす」

総「?うん。行ってらっしゃい」