その後、新撰組の皆は3日に一度のペース(3馬鹿は毎日の様に)紫の様子を見に来た。
そして、一週間
紫自身も、もうそろそろいいだろう。
などと考えながら仕事をして居た。

総「お紫。こっちに酌してくれない?」

紫「あ、はい。只今」

総「ねえねえ。僕、お紫と話がしたいか ら、他の子達はちょっと席を外して くれない?」

遊女達「「分かりました」」

遊女達が出て行くのを見届けたあと、総司は紫に目を向けた。

総「で?
計画はどうなってるの?」

紫「うん。まー今のとこは順調かな。」

総「そう。もう、ここに入って7日でし ょ?
そろそろ仕事始めた方がいいんじゃ ないの?」

紫は『これだから素人は…』みたいな盛大な溜息をつくと話出した

紫「あのさ。私みたいなまだまだ半人前 の遊女が花魁と会うなんて、それだ けでも、すっごーーく!
大変なの!
例えるなら近藤さんと、一隊士が近 藤さんと仲良くお酒を飲み交わすく らい大変。
それで、やっと馴染 めてきた感じの 状態だし、お昼頃皆が寝静まった頃 に見に行くのがやっとなの!
それでかき集めた情報でやっと進ん だの!
…とにかく。
明日にでも殺るつもり。」

総「そっか。
ま、頑張ってね。土方さん達には伝 えておくから。」

紫「うん。よろしく。」

そんな訳で、その翌日。
殺しの決行となりました。


翌日午前2時

お初「……」

紫「お初姉さん?こんなとこでどないし はったんどすか?」

初「!…あぁ。お紫どすか。
お紫こそどないしたの?」

紫「うちは今宵の月を見に来ただけどす え
それで、お初姉さんは?
お座敷もどうしはったんどすか?」

初「殿方が先に寝てしもうたんよ。
それで、仕方がないから月でも見よ かと出てきたら、お紫にあったちゅ ーわけどす。」

紫「なるほど…
(他には特に誰も居ない…ここでしま おう。)

初「…あんた。遊女としての教育受けて へんやろ。」

紫「…へ?」

初「確かに、遊女として必要な要素は素 晴らしく揃うとる。
でも、わちきの目は誤魔化されへん よ?
な?だってそやろ?
紫蝶さん?」

紫「!」

初「わちきの顔に見覚えありまへんか? 」

紫「……………あぁ。思い出した。
貴女。秋雨初菜(アキサメ ハツナ)だ ね…」

初「ふふふ…ありがとう。覚えとってく れたんですな〜」


秋雨初菜 年齢23歳
それは、昔わざわざ色街を抜け出し紫に殺しの依頼をした女だった。

紫「何年ぶりだろうか?」

初「もう、2・3年はするんとちゃいます か?」

紫「あの時は仕事断わったけど、その後
どうしたの?」

初「まぁ、説得してやり方だけは教えて
もろうたさかい。
後は自分でね」

紫「ふーん。
んで初菜。
何で私がこの場に居るかわかる?」

初「…わちきを殺しに来たんやろ?」

紫「正解、正解、だーいせーかーい」
【ボンッ! モクモク…】
紫はそう言うと、煙り玉を撒き、出て来るとそこには、仕事着の紫が立っていた初菜の首にクナイを当てがった

初「…わちきも年貢の納め時か…」

紫「そうだね。
じゃね。またいつか会える日を楽し みに待っているよ」

紫はそのままの状態で、初菜の喉を掻き切った
薄暗い月明かり
季節外れの夜桜
一人立っている紫の影
紫はその全てが飛び散る鮮血に染まった様な気がした