貴方に出逢っていなければ
こんなにも苦しい思いはしなかった。

けど、貴方に出逢えたから
私は沢山の笑顔をもらえたんだよ。


私が貴方に出逢ったのは
中学1年生の頃。

サッカー部のマネージャーを
してた私はいつも通り
更衣室にいた。

ガチャ

扉が開くと同時に後ろから
抱きしめられた。

『マキ』と聞いたことのない声。

マキ…?誰…?

私は振り返ると驚いた顔をして
離れていく整った顔。

『ご、ごめん。』
顔を真っ赤にして言う彼に

『違うクラスの子かな?』と、聞くと
彼はホッと顔をして

『2年B組の中谷勇太。よろしくな』
っと、整った顔をクシャっとさせた。

不覚にもドキッとしてしまった
自分にバカっと言い聞かせ

『先輩でしたか!1年A組の鈴菜咲麗です!』
と、自己紹介をした。

それから、数日後。

部活の練習を見ていても
中谷先輩のことが頭から
離れない。

けど彼女がいる人を
好きになるなんてダメだよな。
っと自分に言い聞かせる。

その日の更衣室で
中谷先輩の複雑な関係を
知ることになる。