私立青山大学付属高校2年生
七瀬 青(ななせ あお)
帰宅部
それが私。
なんの取り柄もない、ただの高校生。
彼氏もしばらくいない。それに恋もしてない。



今日もいつも通りで平和だったなあ、とか思いながら帰る。それが私の日課。



帰り道は少し憂鬱になったりする。
体育館の横を通って帰らなくてはならないからだ。
きこえてくる、このバッシュのスキール音、ドリブルの音。バスケに関わるこの音たちが私を憂鬱にさせる。


私は中学生のころ、バスケで結構有名な選手だった。だけど、ある試合で大怪我をしたことから激しい運動ができなくなった。
私の唯一の取り柄であるバスケ。
私の一番の楽しみであるバスケ。
バスケをしてたときが一番楽しかった。


バスケに関わる音をきくたびにバスケがしたくなって辛くなる。

だけどもういいんだ。
ただ生きているだけで。
バスケも何もいらない。
幸せだったらそれでいい。



生きてれば幸せになれるはずだから。
幸せになれる日を私は待っている。