極道娘の悩み事。





本家の自分の部屋に戻ってきて、一安心した私は膝から崩れ落ちた。




「ふん、何が私を殺す覚悟で撃てだよ。お前殺したら俺の首が飛ぶっつの…」





後ろで大和が鼻で笑う。






「だって……!あんたが躊躇うから悪い…じゃ…な…」





話の途中で抱きすくめられ、驚いて喋ることも忘れる。





でも影山に抱きしめられるよりずっと安心感があって、温かい。






「………大和?」






「………………悪かった。怖い思いさせて…」




首筋をなぞられ、傷口をそっと舐められる。




「っ…!?や、まと!?」





大和の行動の意図がわからず混乱する。





「………ックソ!!!あいつ…」






横にあった鏡をチラリと見ると、私の首には傷口に被さるように赤紫の鬱血した痕があった。





「………痛いか?」





「…うぅん、今はそんなに……」





「………悪かった。」





手で目を覆うように頭ごと抱き寄せられる。






髪にキスをされ、大和が口を開く。





「お前が………20になるまで………言わないつもりだった…」




何のことかわからずゆっくりと振り向くと、至近距離に大和の少し潤んだ瞳があった。










「好きだ。疾風…ずっと昔から……。」