「……」
大和は、やけにお父さんを慕っているようだけど、私は今まで大和の存在を知らなかった。
お父さんと仲が深い幹部の人の中で私が知らない人はいないし、だからといってぽっと出の様な新人にお父さんが私を任せるはずもない。
お父さんと昔から関係があって私が知らない人がいたなんて、と大和を紹介してもらったときから少し疑問だった。
「…ねぇ、大和」
静まり返っていたその場が、お父さんが退散したことによってまたがやがやと騒がしくなってきたところで大和に聞いてみた。
「…なんだ」
「大和はお父さんといつから知り合いなの?」
「あぁ…そうだな、今年で20年くらいじゃねぇか?」
「20年!?!あんた今何歳!?」
「25」
「5歳のときにお父さんと知り合ったの!?」
「まぁそうなるな」
驚いた。じゃあなんで今まで私は大和の存在は知らなかったのだろう。
それも聞いてみたかったけど、大和がお父さん達が食べ終えたご飯を片づけていたので、今はそれを手伝うのに専念した。

