ぼーっとしながら歩いていると、ふいに肩を叩かれた。
振り向くと、私より二、三歳くらい年上の男の人三人がいた。
「ね、君すんごい綺麗だね!名前なんていうの?」
え、え?これって俗に言うナンパ?
うわすごい!!初めてナンパされた!!
下降気味だったテンションが一気に上がった。
「あ…と、虎ざ…」
途中まで言って、口を閉ざす。
虎沢なんて、ここら辺じゃ有名な名前だ。
「と、虎崎あかり!」
とっさに出てきた割にはいい名前だ。
疾風なんて名前、男みたいであんまり好きじゃない。
「へぇ、あかりちゃんね。俺らこれから遊びに行くんだけど、今暇?一緒に行こうよ!」
え、すごい…世の中の男の子はこうやって女の子に話しかけるんだ…
って、感心してる場合じゃない。
「誘いは嬉しいけど急いでるんで。」
嘘です。急いでないです。
でもこうゆう輩と絡んでもしも問題が起きたら虎沢の組織が動いて、大事になる。
これはあなた達の為なんですよ…と心の中で小さくお節介をやいてそそくさと退散する。
「えーちょっと待ってよー」
ぐいっと腕を引っ張られて、反射で足が出そうになったけど、ぐっとこらえた。
この前堅気の奴らと喧嘩するなと大和に言われたばかりだ。
とは言え、結構しつこい奴らだったらしい。
…どう切り抜けようかな…。
「全然急いでるように見えなかったんだけど?いいじゃん一時間くらいそこのゲーセンで遊ぶくらいさー」

