「なぁ、あの人は君のお母さんか?」 「う……ぐず……う、ん……」 男の子は泣きじゃくりながらも、首を縦に振る。 やっぱりか……。 「ママ、急に……ひくっ……どこかに行っちゃって……そしたら……上からっ……」 上? 「上って……」 いつの間にか俺の隣に来ていたマサと愁季が、上を見た。 女性が倒れているすぐ横には、古い三階の建物があった。 まさかっ……! 「自、殺……!?」 自殺だなんて思いたくないが、そうとしか考えられない。