あの日以来、俺は女を信じないと決めた。

坂井のように、同じ痛みを知っている女以外、信じないと決めたんだ。



だから。



「マサ、俺はもう女を信じないって決めてるから」



俺の言葉を聞いたマサの顔が、悲しそうに歪んだ。


「そうか……」


「ごめん」



本当は、世話になってるマサに、そんな顔はさせたくない。



けど、俺は……。



ーーーペシッ。



「っ……?」



突然、両頬に軽い痛みが走った。

でもそれはすぐに、温かいものに変わった。


目の前には千愛実がいて、両手で俺の頬を挟んでいた。