「え?いいんですか!?行きます!」



こいつはこいつで、いつもはついてこないのに、今日は行くとか言ってるし。



もういいよ。



「……好きにすれば?」



俺が嫌だって言っても、マサがいいって言えば連れて行くんだから。



ーーーーーーー……


「ここのお店?」

「そう」



千愛実を連れてきたのは、最近新しく出来た、綺麗な本屋。


この本屋で連続万引きが相次いで起こってる。


防犯カメラを設置しているのだが、犯人はどうやらカメラの視覚を狙って犯行しているみたいで、よく特徴を把握できないらしい。


そこで、警察に頼んだというわけだ。



えーと、まずここの店長に挨拶しに行かないと……。



「千愛実、行くぞ……千愛実?」



……いねぇし!


気づくと、さっきまで隣にいたはずの千愛実がいない。