千愛実は嬉しそうにニコッと笑う。
その笑顔に、俺の胸がドキッとする。
どうしたんだ、俺?
こんなの、いつもの俺じゃねぇ。
千愛実と2人で並んで歩いていると、急に千愛実の足がピタリと止まった。
「……?どうした?」
千愛実に声をかけると、
「あ……ううん、何でもない……」
そう言った。
でも、見るからに大丈夫じゃない。
声が震えてるし、肩も微かに震えてる。
まるで、何かに怯えているようだった。
心配になって千愛実の所に行くと、俺の袖を弱々しく掴んでくる。
と……。
「ぎゃははははっ!お前なにしてんだよー」
前方から6人くらいの男達が歩いてきた。
そいつらが近づいてくるにつれ、千愛実の震えが激しくなるのが分かった。
もしかして……。
俺は千愛実が男達から見えないように間に立ち位置を変えた。



