「南波ー!!抜け駆け禁止ー!!」
「はっ!?」
「なんで南波は愁季くんといい感じなのに、私だけ……私だけ……うわーん!」
不平等だ!
龍牙のバカーっ!!
「はいはい、よしよーし。千愛実、ファミレス行こっ!語ろう!」
「南波ーーっ!!」
私達はファミレスに向かって歩いた。
そんな私達を、怖い顔で睨み付けている女の子達にも気づかずに……。
――――――……
「で?南波はいつから愁季くんのこと好きなわけ?」
「ぶっ!!」
ファミレスでドリンクバーを頼んで、メロンソーダを飲んでいる南波に聞いたら、南波が吹き出した。
「けほっ……いきなり話を振るなって言ってるでしょ!」
「すみません」
だって、気になるじゃん!!
私が放課後、龍牙に会いたいって言ってたから、南波は仕方なく付き合ってくれてるんだって思ってたのに。
南波も愁季くんに会いたいって思ってたってことだよね!?
「なんで言ってくれなかったの!?」
「……恥ずかしかったから。千愛実ほどあたしは可愛くないし、素直じゃないもん」
顔を赤くして照れたように言う南波は、すごく可愛い。
「何いってんのー。私より南波の方が可愛いし、美人だよ!」
うん。
南波の美人さには誰も敵わないって。



