無口なキミにあいらぶゆー




今日はこれで会えないのか……。


寂しいな。



メアドは未だに教えてくれないし、会話ができるのは放課後の、この時間だけ。



私がショボンと肩を下ろしていると、後ろからポンと叩かれた。



「愁季くん」



茶髪の可愛い顔をした愁季くんだった。



「明日もおいでよ、千愛実ちゃん。あいつ、たぶん口で言ってるほど前より嫌がってないよ」


「ホント?」



私からみたら、ホントに嫌がってるようにしか見えないんだけど……。


「ホント!まぁ“前より”だから、少しは嫌がってるかもだけどね」



ほらーーっ!!

やっぱり嫌がってるんだ!!


少し期待して損したよ……。



「嫌われてたって、絶対いつか振り向かすからいいもん!」


嫌がられてるのは最初から分かってるもん。


「はははっ!千愛実ちゃんのそーいうところいいと思うよ!じゃあね」



愁季くんは南波に「バイバイ」と手を振って、龍牙の後を追いかけていった。



……あれ?愁季くん、私には手を振ってくれないの?



見れば南波はほんのり頬を染めている。


……もしかして、私だけ相手にされてない?