すると、愁季くんは
「龍牙の父親、警視庁本部のお偉いさんなんだよね。だから俺も龍牙も小さいときから武道やらされてさー……そしたらなんか強くなっちゃって。警察のこういう仕事は任されることになってんだ」
愁季くんはそのあとに、「まだ高校生だから、ホントたまになんだけどね」と付け加えた。
ま、マジですか…?
私、もしかして凄い人を好きになってしまったんじゃ……。
龍牙は私の手からコーヒーだけをとって飲み始めた。
……あ、やっぱりこのアップルティー、買ってくれたのかな?
「ジュース、ありがとう」
「……別に」
ぶっきらぼうなその言葉でも、龍牙の言葉は私の胸に深く染み込んでいく。
好きだなぁ……。
なんて、龍牙の横顔を見ながら思ったりした。