左手には、買ってきてくれたのか、アップルティーが一本と、龍牙が自分で飲むのであろう、缶コーヒーがあった。


龍牙はジュースを持っていない右手で私の手を自分の元に引っ張った。



「ひゃっ……」


「……これ持ってろ」


「え……あ、うん」




龍牙はジュースを私に渡すと、男達の元に歩み寄る。



だ、大丈夫かな……?



「千愛実!」

「!……南波!」


呼ばれた方を向くと、南波が愁季くんと一緒にいた。


「大丈夫だった?」

「うん!南波も大丈夫?」

「大丈夫。愁季が助けてくれたから」



よかった……。



「二人とも、ちょっとここで待っててくれる?」

「愁季くん、何するの?」



ケンカとかならやめてほしい。

相手は四人だし、もしケガでもしたら……。